ご挨拶

日本義歯ケア学会について

日本義歯ケア学会は2014年4月から7年目に入りますが、それまでに10年間続いた軟質義歯裏装研究会を発展的に解消して生まれた組織です。同学の大学関係者100名と関連企業研究者とで、今日に至っています。同じような関心事から生まれたデンチャープラークコントロール研究会がさらにその前に約10年間の活動実績があります。いずれも義歯製作の周辺の教科書には記載のあまりなかった分野です。だから義歯のケア関連のテーマに特化して研究会を継続して四半世紀が経とうとしています。
会員は補綴歯科学会や老年歯科医学会をホームグラウンドとして持ち、活動しながらも、そこではあまり取り上げられないが、しかし現場では見過ごすことのできない重要課題と考える、義歯を入れてから後の諸問題を取り上げています。

Cureからcareの時代と言われて久しいですが、歯科の多くの疾患が生活習慣病と認識される中で、義歯についてのcareに関してはあまり詳しく取り上げられていません。義歯の専門家集団の本会としては是非とも、せっかく作られた義歯が口腔内で有効に機能するように、義歯のケア、取り扱いにつては、回答を出して行きたいものです。

これまでに、会として義歯ケアに関するガイドブックを二冊発行していますが、さらに文献探索に基づく義歯の取り扱いに関するガイドラインの、第一回の公表と、義歯安定剤に関わる科学研究費補助金を受けての研究も今年度が一応の最終年となります。

義歯の長い歴史の中で、それを使用する方々の高齢化に伴って、昔の義歯理論では対処できない症例も増えてきています。現実の、疾病構造にあった義歯、超高齢者にも役に立つ義歯の提案もしていきたいものです。また、近年、その必要性とその効果が叫ばれながらも、十分行き渡っていない訪問歯科診療の中では、歯科衛生士さんによる口腔清掃と義歯の対処がトップを占めています。訪問歯科診療が普及拡大すれば、義歯治療、義歯ケアの現実的な、応急処置にとどまらない、即効性ある対処が求められます。これらにも遅れることなく対処していきたいものです。
2015年1月には日大松戸で、2016年1月には仙台、東北大学で、さらに翌年は鹿児島大学で学術大会が開催されます。

           2014年4月 日本義歯ケア学会理事長 濱田泰三 (東北大学客員教授、広島大学名誉教授)